技術

Softbank光 10G がやたら不安定なのでXG-100NEの設定回りを弄って抗う

要約

  • Softbank光 + XG-100NEを(比較的)安定稼働させるために、以下の設定を変更する。
    • XG-100NEの管理画面にて -> ルータ設定 -> 高度な設定 -> PPPoEブリッジ OFF にする
    • XG-100NEの管理画面にて -> ルータ設定 -> 高度な設定 -> 省電力型イーサネット機能OFF にする
    • XG-100NEの 無線LAN機能OFFにする
    • LANケーブルは Cat.8 や Cat.7(STP) ではなく Cat.6A(UTP) の物を使う
  • 筆者環境ではこれでかなり安定するようになりました。

10Gがやってきた

chatagiriです。

先日賃貸引っ越しをしました。

幸いなことに、引っ越し先の物件が光クロス(10G)に対応しており、ついにワシも超速インターネッツできるぞ~と意気込みながら契約しました。

キャンペーン諸々含めて月々の支払が5000円程度まで落ち着いたので、思ったよりコスト高くないなという所感です。

と言っても10GのL2 Switchはまだまだ手が伸びる値段では無いので、10G ONU --(Cat7)-> 2.5G L2スイッチ --(Cat7)--> 自宅の各PC に分配して使用していました。

2.5Gに頭打つ程の速度が出るわけではありませんが、十分な速度が出ていて満足。

なかなかイイカンジの速度じゃないでしょうか

壊れかけのインターネット

しかし、Softbank光 10Gにしてからというもの、自宅でネトゲやリモートワークをしている際にやたら回線が切れるようになりました。

体感では20分に1回程度は回線が切れるぐらいでしょうか。切れずともパケロスする事も多々あり、5分間のパケロス率50%みたいなことも頻繫にありました。

ネットゲームでは敵はワープ、仕事中には回線断->VPNも切れ都度再接続。、全く仕事になりません。

ログを漁ろう

十中八九ホームゲートウェイ(以下HGW)の問題だろうな、という事でXG-100NEのログを漁りました。

下記な感じのログ発見。

モデムの中でJavaが動いていて、あからさまにoomかガベージコレクションで落ちてそうなjvm不定期再起動が見られました。勘弁してくれ。

2023-02-21 15:23:42 JavaVM起動(reboot)
2023-02-22 19:27:43 JavaVM起動(reboot)
2023-02-22 22:17:04 JavaVM起動(reboot)
2023-02-23 01:31:20 JavaVM起動(reboot)
2023-02-23 08:11:35 JavaVM起動(reboot)
2023-02-23 12:27:03 JavaVM起動(reboot)

これについて非常に詳しく調査頂いている素敵なブログ様がありましたので、リンクのご紹介まで。

以下ログも発見。WANポートがFlapしている。このDOWNしてる間は確かに回線切れてました。

2023-02-25 01:37:21 WAN ポートリンクダウン
2023-02-25 01:38:26 WAN ポートリンクアップ
2023-02-25 02:29:40 WAN ポートリンクダウン
2023-02-25 02:30:23 WAN ポートリンクアップ
2023-02-25 02:11:14 WAN ポートリンクダウン
2023-02-25 02:12:25 WAN ポートリンクアップ
2023-02-25 01:53:40 WAN ポートリンクダウン
2023-02-25 01:54:10 WAN ポートリンクアップ

まずは問い合わせから

とりあえずはSoftbank光に問い合わせました。「回線が頻繁に切れる、パケロスも酷いぞ」と連絡ですね。

すると、「HGW故障被疑だが、HGWはSoftbank光の管轄ではない。NTTに取り次ぐわ」という旨で返信が。

問い合わせ後、NTTから連絡があったのは3日後の事でした。

「週末にオタクの環境見に行くんで。」という事なので、とりあえず早急に来てくれ、と返して全裸待機。

調査頂いたものの、「信号は強度十分だし、回線的には問題ない。HGW交換して様子見をしましょう。」との事なので一旦承諾して様子見。

しかし、その日の夜からまた回線断とパケロス発生。う~んこ れは、という事で、HGWの設定回りを弄るのでした。

1. XG-100NEの設定を弄ろうⅠ

このままでは埒が明かないので、HGWの設定を弄ってみましょう。

ルータ設定 -> 高度な設定 -> PPPoEブリッジ にチェックが入っておりました。
多段ルータ構成で、HGWのルータ機能ではなく自前ルータで PPPoE したい時だけ有効化すれば良いオプションの認識。

要らない負荷掛かってるのでは?とOFFってみると、案外刺さった対応だったようで、JavaVMのrebootログが出ないようになりました。uh...
原因は調査しようが無いので苦しいですが、HGWがPPPoEのパケット受け取らないで済む -> JavaVMの負荷下がる -> 安定 みたいな感じですかね...

2. XG-100NEの設定を弄ろうⅡ

また、 ルータ設定 -> 高度な設定 -> 省電力型イーサネット機能 。 こちらデフォルトで有効になっていました

IEEE 802.3az と呼ばれる規格で、LAN ケーブルでデータ送っていない時に物理層レベルでスリープさせて、消費電力を自動で下げる機能のこと。トラフィックが断続的に発生するような場合には省電力モード<->通常モードの切り替えも頻発して通信遅延やパケロスの原因になります。

こちらもOFFってみると、WAN ポートのリンクアップ/ダウン頻度が激減しました。
よかれ節電と思ってONにして頂いているのは分かるけれども...

この省電力型イーサネット機能はPC側のNIC側にも設定箇所があると思いますので、気になる方はそちらも切ってみてはいかがでしょうか。

3. LANケーブルを変えよう

1と2の対応をしても、完全にパケロスが無くなったわけではありませんでした。

次に疑ったのはLANケーブルで、Cat.7含むSTPなLANケーブルは、機器側でアース処理できないとノイズループが発生し、通信が不安定になることがあります。

LANケーブルにはSTPケーブルとUTPケーブルが存在します。

STP はシールド付きでノイズ耐性が高いが、アースできない環境では逆に不安定になりやすい。UTP はシールドなしでアース不要、家庭用ルータとの相性が良く安定しやすい。家庭用途では適切なアース処理を行える機器や条件のに UTP(特に Cat.6A)が適します。

そして、XG-100NEはアース処理非対応です。

「せっかく10G回線引いたし、LANケーブルも買い替えて... 折角だしCat.7のケーブル使っておけばいいだろ!」と思ってcat.7を使っていましたが、無知の境地でした。

実際に各機材とPCに配線しているケーブルをCat.7からCat.6Aに交換したところ、これがドンピシャな対応になりました。目に見えた影響のパケロスの頻度は月に1回あるかどうか?ぐらいまで減少しました。

(追記)4. 無線LAN機能をOFFにする

後日談: 不定期再起動が発生するようになったので、追加対応として無線LAN機能をオフにしました。

Wi-Fi飛ばしたい場合は、APモード(bridgeモード)にした無線ルータを別途用意して、XG-100NE配下に繋げば問題なく動作すると思います。(筆者環境では動いています)(予防線)

まとめ

Softbank光10G + XG-100NEな環境を安定稼働させるために筆者が足掻いた記録でした。

しかし、あくまで筆者環境でこうしたら安定しているよ、という個人ナレッジの紹介なので、試してみた結果それでも安定しなければゴメンナサイ。。
その際はSoftbank光およびNTTの方にお問い合わせをお願い致します。

追記: NTT作業員のナレッジとして本ブログを現場で参照しながら対応をしている噂を伺っていますが、私は責任とれません。

おわりに:

  • Softbank光 + XG-100NEを(比較的)安定稼働させるために、以下の設定を変更しましょう。
    • XG-100NEの管理画面にて -> ルータ設定 -> 高度な設定 -> PPPoEブリッジ OFF にする
    • XG-100NEの管理画面にて -> ルータ設定 -> 高度な設定 -> 省電力型イーサネット機能OFF にする
    • (追記): 無線LAN機能をOFFにする
  • LANケーブルは Cat.7 ではなく Cat.6A の物を使ってみましょう。
どちらも使わない方向に編集しましょう。

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